中学生の頃、「おろち」という古い漫画を読んだ。
人のいろんな感情や人生が鮮やかに描かれていて、強く惹かれた。あまり美しくない現実の中に時折光る人の心、答えの出ない問い。ここには何かすごく大切なものがあると感じた。お話そのものも大変に面白いのだが、人の感情にダイレクトに触れるような生々しさと、その根底にある優しさに心がきゅっとなった。
おろち(不思議な力を持ち、人の人生の隙間にそっと入って何かをする若くて美しい女性)のようになりたいとも思った。何十年も経ったあるとき、そういえば今の私がやっていることは、なんだかおろちみたいでは?と気づき、ちょっと楽しい気持ちになった。
今日、私は師匠のセッションを受けて、ショックを受けた。心というものは本当に底が知れない。自分なりに、何年も何十年もかけて真剣に心を見つめてきたつもりなのに、また一つ、今まで知り得なかった感情が自分にあったことを知った。
エネルギーワークのクリアリングは、なかなか特殊な作業だ。はっきり言って、誰にでも勧められるものではない。自分の心への探究心や、こういう人生を生きたいという強い意志がある人でなければ取り組むことは出来ないと思う。
エネルギーをクリアにするためには、自分の心の汚いところや、歪んでいるところを完全に理解して、手にとって、自分の力で成仏させなければならない。決して楽な作業ではない。クリアリングそのものは、まったく楽しいものではない。
それでもやるのは、やっぱり自分がどう在りたいか。ここを譲ることは出来ないから。こういう感覚って、やっぱりすごくおろちに近いんじゃないかな?と密かに思っている。
楳図かずおさんのご冥福をお祈りします。