息子がマダニに噛まれたときの記録。
私は九州の田舎で自給自足している人々と縁が深かったこともあって、マダニの知識が比較的あった。だから、マダニ=感染症・後遺症・死・・・というイメージが強くて、噛まれてすぐは、いろんなことが頭をよぎった。
ネットで調べても(語学力がなく、ちゃんと解読できたのは日本語のサイトだけ)安心できる記事は見つけられず。「危険だから、とにかく予防しましょう!」という記事が多くて、噛まれたけど大丈夫だったよ、というような体験談を見つけることができなかった。
なんとなくの予想だけど、情報として表には出てこないだけで、自分でサクッと取って何事もなかった人もたくさんいるんじゃないかな?と感じた。なので、あえて「噛まれたけど何事もなかった記録」を記しておきます。
—————–
■マダニ発見
朝、こどもたちでシャワーを浴びているとき、娘が息子の首の後ろのあたりに深く埋まったマダニを発見した。
「何か虫みたいなのが首についてるけど」「とって」「とれない」「マダニだ!」というやりとりがあったそう。
とても小さな黒い点で、よくよく見たらマダニ、という感じ。娘はめざとい子で、息子は図鑑大好き少年。いい感じの連携プレーで発見できたけど、息子いわく痛くもかゆくもなかったそうで、実際ホクロやかさぶただと思っていたら日に日に大きくなってマダニだと気づく、ということが多いらしい。
前日に公園で噛まれたようだけど、草むらでごろごろしたわけでもないのになぜ?と思ったら、木から降ってくることもあるんですって。(息子談)
■病院へ
器用な人や慣れている人なら、自力でピンセットで除去できるはず。除去のコツがネットに色々書いてあった。
私は不器用で、しょぼいピンセットしか持ってなくて、体の半分が埋まったマダニを完璧に抜きとる自信がなかったので迷わず病院にいくことにした。
わが家がホームドクターに登録しているのは、IHCHという総合病院。オランダに引っ越して1年、初めての病院!
受付で患部の状態をみせて四苦八苦しつつ説明。とにかく早く除去してほしい・・・と思っていたのだけど、オッケー!今日の夕方に予約とるわねー!と軽く言われて焦った。今思うと、今回いちばん焦ったのはこのときだ。
Google翻訳を駆使して、このまま除去せず時間が経つと感染症のリスクが上がることを伝えたら、ナースが登場して別室で処置してくれた。きれいに取ってもらえたことで、だいぶ気が楽になって、これで大丈夫だなと感じた。
■ドクターの見解
もう医師の診察の必要はない、患部が赤くなったり様子がおかしくなったりしたら病院に来てねということだったけど、別の虫刺されを口実に午後の診察の予約をとってもらった。感染症や後遺症について確認したかったから。
お医者さんに聞いた話は、だいたい以下の通り(多分…)。
①噛まれて24時間以内は感染症のリスクは低いので、そこまで心配いらないし、抗生剤の必要もない。
②噛まれて24時間以上経つと、ガッチリ食いつくので除去が難しくなる(皮膚や肉ごと切除することもあるとか…)
③除去せず48時間以上経つと感染症(ライム病など)のリスクが上がるが、病原菌を持っていないマダニもいるのでそこまで心配しなくても大丈夫。
お医者さんがとても冷静で淡々と明るかったので、こちらも安心した。ちなみに息子が噛まれたのは「シェルツェマダニ」という種類で、虫好きの彼は首にマダニがついた状態で図鑑をひらいて種類を特定して納得していた、、なかなかシュールな光景であった。
—————–
もうすぐ4週間が経つけど、感染症も後遺症もなく元気です。でも、噛まれた痕は少しだけ残ってる。息子は「マダニかわいい、マダニがますます好きになった、マダニも大切な命」と坊さんのようなことを言っている。ハウスドクターの場所すら調べたことのなかった私は急なことで少々テンパったけれど、無事で本当によかった。その後は真面目に虫除け対策をしています。
どなたかの参考になれば幸いです。