勉強・学歴 / 親のエネルギーがこどもの人生にどう影響するか?

ひさしぶりの投稿です。

この1ヶ月くらい、息子の進学関係で無駄にバタついておりました。自分のエネルギー問題がこんなに現実に影響するんだ!と生々しく感じる日々でした💧

オランダでは、小学校を卒業したあとは個々の学力に合った学校に進みます。大きく分けると進学系か職業系。実際はもっと細かく学力別に分かれています。

小学校が一人一人の生徒の学力の評価をだし(アドバイスという)、それに従って生徒が学校を選びます。小学校のアドバイスは、テストや学習意欲など総合的な学力をみて判断されると言われており、進学にあたって絶対的に大切なものとされています。

オランダ語で検索してみると、学校が出したアドバイスはまず覆らないとか、我が子のアドバイスが低すぎると親が猛抗議したとか、そういう揉め事の情報がチラホラでてきます。オランダは学歴に縛られない自由な国…というわけでもなく、むしろ露骨に学歴にこだわる人々が一定数いるのだなと思わされます。

ちなみに、小学校卒業前の共通テストで有無を言わさぬ高得点をとればアドバイスより上の学校に行ける可能性も一応あります。さらに入学後の成績次第で留年や退学も普通にあるようなので、アドバイスですべてが決まるわけではありませんが、なんだかんだで多くの人にとって小学校のアドバイスが一つのマイルストーンになっているように思います。

来年、小学校を卒業する予定の我が息子。

日本の学校のように、低学年の頃から学期末に通知表のようなもの(科目別・5段階評価)を渡されて面談するので、大体の学力はすでに把握していました。また昨年度の面談の時点で「おそらくアドバイスはxxxになるだろう」と前任の先生に言われていました。一般的に、このアドバイス予測から、実際のアドバイスが大きく外れることはないと言われています。が。

上記の既定路線から大きく外れた出来事が起こったのです!

先月の面談で先生から言われたアドバイスは、半年前に言われたアドバイス予測から3ランクも下のレベル。1ランク下がるならまだ理解できますが、3ランクも下がったってちょっと聞いたことがありません。(アドバイスは10段階くらいあります。)

私個人は、我が子の勉強や学歴についてはどちらかと言えば適当なほうだと思います。自分が学校の勉強にしっかり取り組んだ経験がなく、それが人生のデメリットになったと感じたことがなかったからです。そんな私とは対照的に、息子本人はわりと勉強が好きで、得意なほう。さらに、5歳,6歳の頃から変わらない彼の将来の夢は、絶対的に学歴が必要な職業。今回の出来事は、当然そこにあると思っていた道が一瞬にして断たれたようなもので、息子は相当ショックだったようです。

先生が言うには「オランダ語力が足りていない」とのこと。それはそうかもなぁ…テストは出来ても総合的にみてオランダ語力が足りないと先生が言うなら、そうなんだろうね、と私は思ったのですが、息子はまったく納得せず。

こういうとき、親はまずこどもの気持ちを理解して尊重すべきだと思いますが、そのときの私は「やっぱりネイティブの子と比べたらオランダ語は下手だろうし、自分が思っているほどは出来てないのでは?」「仮に今まで成績がよかったとしても、今後は伸びないと先生が判断したのなら、そうなのでは?」など、今思えばあり得ない方向に思考が引っ張られ、息子の「自分は勉強できる。」という言葉や気持ちを信じるどころか全否定するような発想しか出てこなかったのです。

この件を何人かの友人に相談したところ、「その評価は絶対におかしいから、異議申立てすべき」「息子くんは、どこをどうみても職業系の子じゃない。合ってない。学校側の誤った判断は彼だけでなく社会にとってもマイナスになる」「一緒に学校に行ってあげるから、再評価をお願いしよう」など、とくにオランダ人の友人達が熱く助言してくれて、オランダの教育を受けオランダの社会で生きるオランダ人達がそう言うのなら、やっぱり抗議すべきなのかな?でもアドバイスが覆るなんて聞いたことないよ!!!(いや、よく考えたら、半年前のアドバイス予測から3ランクも下がった話も聞いたことないが…)など、葛藤は激しくなるばかり。

長くなりすぎるので全ては書けませんが、ここでクリアリングして出てきたものの一つが、私が今の息子の年齢くらいだった頃の出来事です。

小学校5年〜6年にかけて、どうしても行きたい!と頼みこんで塾に1年ほど通わせてもらって(勉強が好きだったわけではなく友達と同じ習い事がしたかった)、そのときに一気に成績が伸びたので、系列の私立の中学を受験してはどうか?と塾の先生に提案されたことがありました。そのとき渡されたパンフレットにあった、大きくてきれいな校舎や制服、楽しそうな学校生活の写真にとてもわくわくしたのを覚えています。

ですが、そのとき両親(とくに父)が出した結論は「今は勉強が出来ても、いずれ伸びなくなる」(+お金がないから私立は無理。)というものでした。今思えば、あのとき「どうせ私は勉強ができなくなる」とインプットされたように思います。そしてそれ以降、私は「勉強を頑張るなんてダサい」「勉強は出来ないほうがかっこいい」という世界観のなかで生きるようになったのです。古本屋で「花のあすか組!」を読みまくって、この路線で行こうと決めたのを覚えています。

「今は勉強が出来ても、いずれ伸びなくなる。」私が約30年前に親から言われたこの言葉は、正に今回、私が息子に感じた感情です。そんな気がする・・・というより、絶対に伸びなくなる!と根拠もないのに確信してしまった感じです。

この出来事・世界観をさらに掘り下げていくと、父が高校の頃、途中までとても勉強が出来たのに、主に家庭環境の悪さが原因で勉強に集中しづらくなり、本来あったはずの実力を発揮しきれなかったことに行き当たりました。エネルギーでみると、大きなトラウマと言えるくらいの出来事です。

私は今まで、この件について「お父さんは根性なしだな。」「やれば出来たのにやらなかっただけでしょ」と、かなり上から目線で、馬鹿にするような気持ちでいました。でも、今回、このエネルギー由来の出来事が我が子の身に降りかかったとき、今までとは全く違った角度から、父という人をみることが出来ました。

いろんな人に「もっと我が子を信じてあげて」「この子は伸びると思う」などとポジティブなことを言ってもらって、何より息子が「勉強が好き」「もっと勉強したい」と言っていたのに、どうしてもそうは思えなかった私。仮に勉強が好きで得意でも、今の私みたいに、親がやる気を否定して、足を引っ張ってきたら?伸びるものも伸びなくなるかもしれない。

父はそういう世界で生きてきたのだな、根性なしではなく、家庭のサポートのない過酷な環境のなかで頑張って生き抜いてきた人なんだ、と初めて思えたのです。私がこどもだったときに「いずれ勉強できなくなる」と言ったのも納得です。そこにトラウマがあると、どうしても偏ったものの見方しか出来なくなります。

このクリアリングを軸にエネルギーを整え、オランダ人の友人達のサポートを得つつ再び面談をしたところ、アドバイスはあっさり半年前の評価に戻りました。オランダ語も、ネイティブの同年齢の子とほぼ同等という判定で、前の面談での評価は何だったのか?狐につままれたような感じですが、結局はエネルギーだったと思います。

「どうせ出来ない、伸びない」と親が思っているから、「出来なさそう、伸びなさそう」と思われてしまうのです。あとは「この親、教育熱心じゃなさそう」と思われていたから低めに評価されたのかな?とも思います。家族ぐるみで仲良くしているオランダ人の友達が一緒に学校に来て「自分がオランダ語も勉強も継続的にサポートする」と言ってくれたのは、本当に有り難かったです。


クラス・セッションは随時受付しています。

お問い合わせ・お申込みはこちらからお願いいたします。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA