悩みを相談されたときに気をつけること

「人の悩みをきくのって大変じゃない?それを仕事にしてるってすごいよ。」と、友人に言われました。

その友人は相談されやすい体質らしく(優しい人なのです!)、「自分に心をひらいてくれるのは嬉しいし、一緒に考えたり励ましたりして相手が元気になるとうれしい、でも、その後しばらくして自分がダメージを受けていることに気づく」のだそうです。相手のエネルギーを貰ってしまうんですね。

 

私はエネルギー上級者なので、仕事でもプライベートでも相手のエネルギーを貰うことはまずありません。そして、人の悩みをきくのは大好きです。と書くと、ちょっとサディストみたいかしら?(笑) そういう意味ではなく、人の心の世界に純粋に興味があるのです。宇宙の神秘に魅せられるかのように、「人の心のわからなさ」に魅了されつづけているのです。クライアントさんのエネルギーが変わる瞬間は、私にとって最大の喜びです。人の無限の可能性を感じて、言葉にできないほど感動します。おそらく多くの心理療法家の方が同じような感覚をお持ちかと思います。

 

悩みを相談されたときに気をつけるべきポイントがいくつかあります。

いちばん重要なのは、同情しないこと。相手が自分にとって大切な人であればあるほど、悩みに感情移入して「なんとかしてあげたい」と思ってしまうものですが、エネルギーベースでみれば同情は共倒れの状態です。自分のエネルギーと相手のエネルギーが一体化しているのです。こうなると的確な助言ができなくなりますし、相手のネガティブな感情を取り込んで自分がダメージを受けます。ダメージを受けたからと言って相手が回復することはありません。

同情は悩んでいる人の自立心を奪います。相手が同情を求めてきたら、必要な距離をとって接するのが本当の優しさです。

 

相手に介入しないことも同じくらい大切です。介入とは、相手のエネルギーの中に自ら入っていくこと。相手が考えるべきこと、決めるべきことを自分がしようとする・できると思ってしまうことです。とくに日本では、同情や介入を優しさと混同している人が多いような気がします。

ポイントは、相手にコントロールを返すことです。「私はこう思う。」「私だったらこうする。」「でも、人によって考え方はいろいろだよね。」「決めるのはあなただからね。」というように、自分と相手を明確に分けることです。

 

そもそも、相談するということは、簡単に解決できない悩みなのです。それを他人が解決できるわけがありません。どんなに親しい相手でも、相手の悩みをかわりに解決してあげることはできません。

「話をきいてもらってスッキリした。」という人がいますが、それだけでは時間が経てば元に戻ります。本人の自発的な努力や行動がなければ根本的な解決はできません。

私たちにできるのは、相手への愛をもって学びと成長の手助けをすることだけ。ときには突き放すこと、忍耐強く見守ることも必要です。そして何より大切なのは相手を信じること。「この人は自分で問題を解決できる力がある。」と信じるのです。事実そうですし、相手への愛と信頼があればそう思えるはずです。

 

「愚痴をぶちまけるだけで、人の助言をきかない、言ってスッキリしたいだけの人」に振りまわされて疲れる、という人がいます。相手との関係性にもよりますが、一度や二度ならそこまで問題ではないかと思います。ですがそういうことが重なるのなら、自分の対応を見直したほうがいいと思います。確認するポイントは、自分がしていることが相手の人生にプラスになっているかどうかです。

 

 

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